UI設計したり、ウェブシステムを開発したりします。 

SQL見るだけクエリ#124 GROUP_CONCAT関数を使用して、複数のレコードを簡単にまとめて、必要な情報を取得する

記入日:2023-05-12 編集日:2023-05-12

GROUP_CONCAT関数を使用して、複数のレコードを簡単にまとめて、必要な情報を取得する方法を解説してみようと思います。

この記事を読むと(約5分)
GROUP_CONCAT関数を使用して、複数のレコードを簡単にまとめて、必要な情報を取得する方法をイメージできます。

GROUP_CONCAT関数は、MySQLの集計関数の一つであり、複数のレコードをまとめて、指定したカラムの値をカンマ区切りで連結した結果を返すことができます。以下は、GROUP_CONCAT関数の使用例です。

例えば、次のようなemployeesテーブルがあるとします。

| id | name    | department |
|----|---------|------------|
| 1  | Alice   | Sales      |
| 2  | Bob     | Marketing  |
| 3  | Charlie | Sales      |
| 4  | Dave    | Marketing  |

このテーブルから、部署ごとに所属する従業員の名前をカンマ区切りで表示するには、次のようなクエリを書きます。

SELECT department, GROUP_CONCAT(name) AS employees
FROM employees
GROUP BY department;

このクエリは、departmentカラムをグループ化して、各グループごとにnameカラムの値をカンマ区切りで連結した結果をemployeesカラムとして表示します。

結果は以下のようになります。

| department | employees        |
|------------|-----------------|
| Sales      | Alice,Charlie    |
| Marketing  | Bob,Dave         |

GROUP_CONCAT関数の引数として、DISTINCTキーワードを指定することで重複した値を除外することができます。

例えば、次のようなordersテーブルがあるとします。

| id | customer_id | product |
|----|-------------|---------|
| 1  | 1           | A       |
| 2  | 2           | B       |
| 3  | 1           | C       |
| 4  | 2           | A       |

このテーブルから、各顧客が購入した商品の一覧をカンマ区切りで表示するには、次のようなクエリを書きます。

SELECT customer_id, GROUP_CONCAT(DISTINCT product) AS products
FROM orders
GROUP BY customer_id;

このクエリは、customer_idカラムをグループ化して、各グループごとにproductカラムの値をカンマ区切りで連結した結果をproductsカラムとして表示します。
DISTINCTキーワードを指定することで、重複した値が除外されます。

結果は以下のようになります。

| customer_id | products |
|-------------|----------|
| 1           | A,C      |
| 2           | A,B      |

注意点としては、GROUP_CONCAT関数が連結する値の長さに制限があるため、必要に応じてmax_allowed_packetの設定を変更する必要があることです。また、GROUP_CONCAT関数は非常に便利な関数ですが、大量のデータを扱う場合にはパフォーマンスの問題が生じる可能性があります。そのため、適切なインデックスを使用してクエリを最適化し、必要に応じてデータベースの設計を見直す必要があります。

また、GROUP_CONCAT関数はMySQL固有の機能であるため、他のデータベースシステムではサポートされていない場合があります。代替手段としては、アプリケーション側で複数のレコードを取得して連結する方法を考えることができます。

SQLの使いどころ

サイトに大量の情報を掲載することは、ユーザーにとってとても便利なことです。しかし、情報が多すぎると、目的の情報を見つけるのが困難になります。そのため、SQLを使用することで、情報を効率的に管理することができます。

SQLを使用することで、データベース内の情報を検索したり、フィルタリングしたりすることができます。これにより、ユーザーは目的の情報をスムーズかつ簡単に見つけることができます。

また、SQLを使用することで、データを集計したり、統合したりすることもできます。これにより、ユーザーはさまざまな視点から情報を分析することができます。つまり、サイトに多くの情報を掲載することが重要である一方で、その情報を効率的かつ簡単に管理することが求められる場合には、SQLが不可欠であるといえます。

KK

機械工学を専攻。工業デザイナーとして、国内及び海外の自動車・搬送ラインの設計などに従事した後、2003年にウェブシステム会社を設立。UI設計やウェブシステムの開発、DX化のディレクションなどを行っています。